この記事では、弁理士という資格について解説します。
弁理士の基本情報
弁理士の基本情報は以下の通りです。
| 弁理士 | |
|---|---|
| 資格/試験 | 資格 |
| 国家/公的/民間 | 国家資格 |
| 海外での効力 | なし |
| 登録制度 | あり ※1 |
| 更新制度 | なし |
| 名称独占資格か? ※a | YES |
| 業務独占資格か? ※b | YES ※2 |
| 保有者数 | 約12,000人 ※3 |
- 弁理士となる資格を有する者が弁理士となるには、日本弁理士会の弁理士名簿に登録を受けなければなりません。
- 弁理士の代表的な業務として、特許可、実用新案、意匠、商標等の出願手続きについての代理がありますが、これらは弁理士しか実施することはできません。なお、例外的に、弁護士は弁理士とならなくとも当然に弁理士の業務を行うことができます。
- 日本弁理士会調べ(2026年4月時点)
弁理士ができること
独占業務に関する業務
弁理士の最も中心的で代表的な仕事が、特許庁に対する「知的財産権の出願手続き」の代理です。これらは弁理士法によって定められた独占業務にあたり、弁理士以外は実施することができません。
以下は、代表的な独占業務の例です。
特許・実用新案・意匠・商標の出願代理
新しい発明(特許)やアイデア(実用新案)、物品のデザイン(意匠)、商品やサービスのネーミング・ロゴ(商標)などを保護するため、特許庁へ提出する高度な専門書類を作成し、出願手続きを代理します。権利を確実に取得するための要件確認や特許庁の審査官との交渉も一貫して行います。
特許庁に対する不服申立て・審判手続
出願が拒絶された場合に、不服として「拒絶査定不服審判」を請求したり、他人の特許を無効にするための「特許無効審判」を申し立てたりする手続きを代行します。審判官に対して法的な主張や立証を行う重要な業務です。
独占業務以外の業務
弁理士は出願の代理人にとどまらず、知的財産を経営に活かすためのアドバイザーとしても活躍しています。
知的財産コンサルティング・契約交渉
他社への特許ライセンス供与や技術移転、共同開発を行う際の「ライセンス契約書」の作成や交渉のアドバイスを行います。また、企業の開発段階から関わり、他社の特許侵害を未然に防ぐためのリサーチ(予防法務)も行います。
著作権や不正競争防止法に関するサポート
特許庁への登録が不要な「著作権」の保護や利用に関する相談、あるいは企業の営業秘密の漏洩や模倣品トラブルを防ぐための「不正競争防止法」に基づく対策など、周辺の知的財産全般にかかわるサポートを行います。
その他の業務
その他にも、特定の研修を受け試験に合格した弁理士(特定侵害訴訟代理業務付記弁理士)は、特許権などの侵害をめぐる「知財訴訟」において、弁護士とともに代理人として裁判所に出廷し、訴訟活動を行うことができます。
弁理士になるには
弁理士になるには、弁理士となる資格を有した上で、実務修習を修了し、日本弁理士会(日弁会)の弁理士名簿に登録を受ける必要があります。
実務修習
実務修習は、弁理士となるのに必要な技能及び高等の専門的応用能力を修得させることを目的とし、弁理士登録の条件の一つとして弁理士法により義務付けられているもので、日本弁理士会が実施します。
実務修習の対象者は、弁理士となる資格を有する者です。なお、司法書士の新人研修の受講には、「1年以内に登録・入会を予定する者」という条件がありますが、弁理士の実務収集にはありません。
それでは、「弁理士となる資格」とは何でしょうか?また、その資格はどのようにして得ることができるのでしょうか?
弁理士となる資格
「弁理士となる資格を有する者」とは、以下のいずれかをいいます。
- 弁理士試験に合格した者
- 弁護士となる資格を有する者
- 特許庁において審判官又は審査官として審判又は審査の事務に従事した期間が通算して7年以上になる者
一般的には、1の弁理士試験合格を目指すことになります。
また、弁理士となる資格を有する者や、特許庁での長年の審査官・審判官経験を持つ者にも認められています。
弁理士試験
| 弁理士試験 | |
|---|---|
| 資格/試験 | 試験 |
| 試験日 | 短答式試験:毎年5月ごろ 論文式試験:毎年6月〜7月ごろ 口述式試験:毎年10月ごろ |
| 受験資格 | 特になし |
| 試験科目 | 特許・実用新案に関する法令、意匠に関する法令、商標に関する法令、工業所有権に関する条約、著作権法及び不正競争防止法など |
| 合格率 | 約6〜8% |
弁理士試験は「短答式」「論文式」「口述式」の3段階で実施され、すべての試験をクリアしなければなりません。幅広い法知識と高い専門性が求められる難関試験です。
まとめ 〜弁理士になるための4ステップ〜
弁理士になろうとする場合、通常は弁理士試験の合格を目指すことになりますから、以下のようなステップとなります。