この記事では、税理士という資格について解説します。
税理士の基本情報
税理士の基本情報は以下の通りです。
| 税理士 | |
|---|---|
| 資格/試験 | 資格 |
| 国家/公的/民間 | 国家資格 |
| 海外での効力 | なし |
| 登録制度 | あり ※1 |
| 更新制度 | なし |
| 名称独占資格か? ※a | YES |
| 業務独占資格か? ※b | YES ※2 |
| 保有者数 | 約82,000人 ※3 |
- a. 名称独占資格
資格保有者のみがその資格の呼称を利用することができる資格
- b. 業務独占資格
資格保有者のみが実施できる業務が存在する資格
- 税理士となる資格を有する者が税理士となるには、日本税理士会連合会の税理士名簿に登録を受けなければなりません。
- 税理士の代表的な業務として、税務代理、税務書類の作成、税務相談がありますが、これらは税理士しか実施することはできません。なお、例外的に、弁護士は税理士とならなくとも当然に税理士の業務を行うことができます。
- 日本税理士会連合会調べ(2026年5月末時点)
税理士ができること
独占業務に関する業務
税理士の最も中心的で代表的な仕事が、税理士法によって定められた「独占業務」の代理です。これらは税理士の資格を持つ者だけが行うことができます。
以下は、代表的な独占業務の例です。
税務代理・税務書類の作成
確定申告や青色申告の申請、税務署から届いた処分に対する不服申し立てなど、税金に関する各種手続きを納税者に代わって行います。また、税務署等に提出する申告書や不服申立書といった、複雑な税務書類の作成を正確に代行します。
税務相談
税金の計算方法や、節税対策、税務手続きに関する具体的な相談に応じます。事前のシミュレーションを行うことで、個人や企業が抱える税務上の不安やリスクを解消します。
独占業務以外の業務
税理士は税金のプロフェッショナルであると同時に、企業の身近な経営パートナーとしても活躍しています。
会計業務・財務サポート
独占業務に付随して、日々の仕訳を行う「会計記帳」の代行や、決算書の作成、財務諸表の分析などを行います。近年では、中小企業に対して経理業務の効率化(クラウド会計の導入などDX化)のアドバイスを行うことも中核を担っています。
経営コンサルティング・相続対策
資金調達のための融資相談、補助金・助成金の申請サポート、さらには企業の合併・買収(M&A)や事業承継の支援を行います。また、個人や経営者に向けて、将来のトラブルを防ぐための「相続税対策」を法的な観点からサポートします。
その他の業務
その他にも、税理士は裁判所における補佐人として出廷し陳述を行うことや、外部監査、セミナー講師など、多岐にわたる分野で幅広く活躍しています。
税理士になるには
税理士になるには、税理士となる資格を有した上で、2年以上の実務経験を積み、日本税理士会連合会(日税連)の税理士名簿に登録を受ける必要があります。
それでは、「税理士となる資格」とは何でしょうか?また、その資格はどのようにして得ることができるのでしょうか?
税理士となる資格
「税理士となる資格を有する者」とは、以下のいずれかをいいます。
- 税理士試験に合格し、租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して二年以上ある者
- 税理士試験の全科目を免除され、税理士試験に合格し、租税に関する事務又は会計に関する事務で政令で定めるものに従事した期間が通算して二年以上ある者
- 弁護士となる資格を有する者
- 公認会計士となる資格を有する者
一般的には、1の税理士試験合格を目指すことになります。なお、試験合格だけでは税理士となる資格を有することはできず、政令で定める実務経験が通算2年以上ある必要があります。
税理士試験
| 税理士試験 | |
|---|---|
| 資格/試験 | 試験 |
| 試験日 | 毎年1回8月ごろ |
| 受験資格 | <会計科目> 特になし <税法科目> 学歴・資格・職歴などによる一定の要件あり |
| 試験科目 | <会計科目> 簿記論、財務諸表論 <税法科目> 以下から3科目選択(ただし所得税法又は法人税法のいずれかは必須) ※所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、地方税法(住民税又は事業税、固定資産税) |
| 合格率 | 各科目 約15〜20% |
税理士試験は一度に全科目を合格する必要はなく、1科目ずつ合格を積み重ねていく「科目合格制」がとられているのが大きな特徴です。最終的に必要な5科目を揃えるまで数年を要するケースが多く、長期的な計画が必要な試験となっています。
また、各科目ごとに細かく免除制度があるため、上手に利用することで有利に試験を進めることができます。