この記事では、行政書士という資格について解説します。
行政書士の基本情報
行政書士の基本情報は以下の通りです。
| 行政書士 | |
|---|---|
| 資格/試験 | 資格 |
| 国家/公的/民間 | 国家資格 |
| 海外での効力 | なし |
| 登録制度 | あり ※1 |
| 更新制度 | なし |
| 名称独占資格か? ※a | YES |
| 業務独占資格か? ※b | YES ※2 |
| 保有者数 | 約54,000人 ※3 |
- a. 名称独占資格
資格保有者のみがその資格の呼称を利用することができる資格
- b. 業務独占資格
資格保有者のみが実施できる業務が存在する資格
- 行政書士となる資格を有する者が行政書士となるには、日本行政書士会連合会の行政書士名簿に登録を受けなければなりません。
- 行政書士の代表的な業務として、官公庁に提出する書類の作成や許認可に関する手続の代理がありますが、これらの一部は行政書士しか実施することはできません。
- 月刊日本行政2026年2月号
行政書士ができること
許認可に関する業務
行政書士の最も中心的で代表的な仕事が、官公庁へ提出する「許認可申請」の代理です。その数は1万種類を超えるとも言われます。以下は、代表的な許認可申請の例です。
建設業・飲食店などの営業許可業務
新しく事業を始める際、国や地方自治体の許可が必要な場合があります。例えば、建設業の許可申請や、レストランを開く際の飲食店営業許可申請、産業廃棄物収集運搬業の許可申請などがこれにあたります。行政書士は、煩雑な要件確認や書類作成、申請代行を一貫して行います。
国際業務(入管手続)
外国人が日本に在留するための「在留資格(ビザ)」の申請、更新、変更などの手続を代行します。申請取次行政書士の資格を持つ者は、本人が入国管理局に出頭することなく手続を行うことができ、国際化社会において非常に需要の高い分野となっています。
書類作成に関する業務
行政書士は「権利義務や事実証明に関する書類」を作成するプロフェッショナルとしても活躍しています。
遺言・相続関連業務
相続が発生した際の「遺産分割協議書」の作成や、将来のトラブルを防ぐための「遺言書案」の作成をサポートします。また、自動車の「名義変更(移転登録)」や「車庫証明」の取得代行など、身近な生活に関わる書類作成も得意としています。
契約書・内容証明の作成業務
個人間や企業間の契約における「契約書」の起案、あるいは金銭トラブル等の解決に向けた「内容証明郵便」の作成など、紛争が起こる前の「予防法務」の観点から法的な書類作成を行います。
その他の業務
その他にも、行政書士は会計記帳、決算、財務諸表の作成など会計業務に携わることができます。さらには補助金・助成金の申請サポートなど、多岐にわたる分野で活躍しています。
行政書士になるには
行政書士になるには、行政書士となる資格を有した上で、日本行政書士会連合会(日行連)の行政書士名簿に登録を受ける必要があります。
それでは、「行政書士となる資格」とは何でしょうか?また、その資格はどのようにして得ることができるのでしょうか?
行政書士となる資格
「行政書士となる資格を有する者」とは、以下のいずれかをいいます。
- 行政書士試験に合格した者
- 弁護士となる資格を有する者
- 弁理士となる資格を有する者
- 公認会計士となる資格を有する者
- 税理士となる資格を有する者
- 国又は地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間が通算して20年以上(一定の場合は17年以上)になる者
一般的には、1の行政書士試験合格を目指すことになります。
また、弁護士、弁理士、公認会計士、税理士のいずれかになる資格を有している者(登録していなくとも良い)や、長年の公務員経験を持つ者にも資格が認められています。
行政書士試験
| 行政書士試験 | |
|---|---|
| 資格/試験 | 試験 |
| 試験日 | 毎年1回11月ごろ |
| 受験資格 | 特になし |
| 試験科目 | 憲法、行政法、民法、商法、基礎法学、一般知識等 |
| 合格率 | 約12〜15% |
試験は筆記試験のみとなり、口述試験はありません。択一式の出題が中心となりますが、憲法と行政法については記述式の問題も出題されます。